畑ですいかを作っている。
今はすべて収穫して、少しずつ食している。
自分で作ったものだから、夫はうまいうまいという。
ひと玉を割るのがうれしいから、息子もうまいうまいという。
しかたがないから、わたしもあまいあまいという。
でも他人様にさしあげる勇気はない。
今朝、台所に下りていくと、何かがちゅんちゅん鳴いておる。
あれ?
まだ雨戸は閉まったままだ。
ちゅんちゅん、じゅう、じゅう
あれ?
家の中だ。
鳴いているのは、すいかだった。
中にねずみが巣を作ったか?
あやちゅうちゅうが間違ってすいかに飛びこんだのか?
いや、これは、すいかたろうに違いない。
放っておいたら、いつまでも鳴いておる。
自分で出てくる気はなさそうだ。
しかたがない、おばあさんは、すいかをまな板にのせると、包丁でそうっと切れ目を入れて中をのぞいた。
おばあさんは、むかし、こんな話を聞いたことがある。
桃を半分に切ったら、ももたろうがまっぷたつになったという話を。
こんな話も聞いたことがある。
ももたろうは、まっぷたつになりたくないので、端に寄って待っていた。
おばあさんは、ももたろうをまっぷたつにしないように、端を切った。
ももたろうは、まっぷたつになった。
こんな話もある。
おばあさんは、今度こそ、ももたろうをまっぷたつにしたくなかったので、何もしないで待っていた。
ももたろうは、くさってしまった。
だから、おばあさんは、すいかに包丁でそうっと切れ目を入れたのだ。
ふつうのすいかだった。
ただ、焼酎の香りがした。
夫「熟れすぎて、発酵したんやな」
以上、夏の早朝の夢。
「すいかたろう発酵編」を楽しく読ませていただきました。
そのまま置いておけば、スイカ酒になるかもしれませんね。
ところで、ほんとにそんな桃太郎の類話があるんですか?
都市伝説でしょうか?
おもしろすぎます。
そこまで桃太郎を追い詰めたいんですね( ̄_ ̄|||)
「すいかたろう」きっといたんだと思います。
絵が描けたら絵本にしたいです!
かぶさん、絵本にしてくれ~ 笑
ももたろう三題は、『おんちょろちょろ』掲載の「たこやき」を語ってくれた人から聞いた話。現代の民話ね~
ジミーさん、小村さん、コメントありがと~
桃太郎が真っ二つになる話、子どもとふざけておはなし作ったりしましたが、ホンマに類話があったとは(笑)
これ、とっても古い現代の民話ですよ~
「ももたろう」とはぜんぜん別でね。だから「類話」とは言わない(笑)
「あおいち」とか「あくのじゅうじか」とかと同じようなもんね。
あ、「ねこのおんねん」って語ったことあったっけ?
「いぬのいんねん」も、同じようなもんやね。
夜中に校庭を走る金次郎とか。
ヤンは、しょーもない話をいっぱい知っているのだ。
ねこのおんねんも、いぬのいんねんも聞いたことがないで~す。金次郎さんが夜中に校庭を走るのは、壁のベートーベンが抜け出して音楽室のピアノ弾いたり、理科室の標本が踊ったり……と同じノリの怪談だと思っていました~
こんどかたってあげるね~